「過失割合が3割以上でないと自賠責保険が適用されない」と言われたけど、何で?

交通事故治療の相談

今回は、認定治療院よりいただいたご質問をシェアします。

【ご質問内容】

https://diaca.sakura.ne.jp/wmta/member/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png

お世話になっております。
事故の患者さんについてお伺いします。

信号のない交差点で、主道路に出た際に横から来た車と衝突したとこのことです。
警察の現場検証の結果、飛び出しと判断され、過失割合は10:90で、患者さんが90です。

ただケガがひどいため、現在、当院で治療を行っていますが、「過失割合が3割以上でないと自賠責保険が適用されない」と言われました。

この場合、健康保険を利用して治療を行うしかないのでしょうか?

【回答です】

https://diaca.sakura.ne.jp/wmta/member/wp-content/uploads/2023/12/sunada_001.png

〇〇先生、こんにちは!
いったい誰が「使えない」と言ったのでしょうか?

自賠責保険は被害者救済を目的としており、過失が0でない限り補償される仕組みです。

推測ですが、今回のケースでは、患者さんに重大な過失があるため、損害賠償額が減額されるため「適用されない」と表現された可能性があります。

重大な過失とは、請求者に7割以上の過失がある場合をいい、傷害に係るものは、7割以上で、2割の減額となります。

つまり、入通院慰謝料・治療費・休業損害等の傷害に関する請求の場合は、7割以上の過失があれば、120万円の限度額が96万円となると言う事です。

今回のケースでは、患者さんの過失割合が90と高いですが、100ではありませんから、担当者の誤解である可能性が非常に高いです。保険会社の担当者に詳細を確認し、適切な説明を求めることをお勧めします。

因みに、重過失による減額の割合はこようになっています。

被害者の過失割合 減額割合
後遺障害または死亡に係るもの 傷害に係るもの
7割未満 減額なし 減額なし
7割以上8割未満 2割減額 2割減額
8割以上9割未満 3割減額
9割以上10割未満 5割減額

ここで注意が必要なのは、自賠責でいう「被害者」とは一般的な意味の被害者ではなく、「ケガをした人」を指す点です。

つまり、過失が10割でない限り、いわゆる「加害者」とされる方も、自賠責上は「被害者」として補償を受けることが可能です。

また万一、自賠責保険が適用されないという結論になった場合でも、健康保険を利用して治療を進めることは可能です。

ただし、交通事故での健康保険の利用には一定の手続きが必要ですので、事前に患者さんが加入されている保険者(健康保険組合や国民健康保険)にご確認ください。

〇〇先生は加盟店(認定院)ですので、ご不明な点があれば、直接弁護士に無料で相談することもできます。

患者様にとって最善のサポートができるよう、どうぞよろしくお願いいたします。

砂田龍人

砂田龍人 治療家応援団 団長

砂田龍人 治療家応援団 団長

治療家に向けて交通事故治療の正しい知識と独自のブランディング戦略で、患者さんに選ばれる治療院作りを15年間支援し、治療院の成長と成功に貢献。

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